当院の包括的歯科治療についてご紹介いたします
これまでの歯科治療では、細菌感染 によって虫歯や歯周病が発生するとされ
細菌を居着かせない、つまり「日々の生活習慣や歯磨きこそが重要である」と考えられてきました。
そして、それでも虫歯になってしまったら悪くなった場所だけを、
言ってみるならば場当たりに解決する、いわゆる対症療法で対応するのが主流となっていました。
もちろん、これではお口の状態が良くなったわけではありません。
依然として「虫歯ができる環境」は改善されていないわけです。
また、お口のトラブルの原因が細菌感染によるものだけでなく、
歯並びや噛み合わせなどといった様々な要因が多岐にわたって存在している可能性があります。
歯科疾患の本質的な要因、悪くなってしまった原因をしっかり分析し、
お口の問題を根本的に改善するのが「包括的歯科治療」であり、「長期的に歯を守る治療」です。
当院では包括的歯科治療によって、対症療法だけで治療を終わらせるのではなく、
もっと先の未来を見据えて原因を探り根本的な解決を目指す原因除去療法に取り組んでいます。
もちろん、理想は治療やメンテナンスを長期的に行い安定した歯の環境を維持することが重要です。
しかし多くの天然歯は、咬耗や摩耗を繰り返したり、過剰なメンテナンスなども原因で理想的な状態を維持することが難しくなる場合が多くあります。
「包括的歯科治療」いう名称だけ聞くと、「たくさん治療すること」と感じてしまう方も多いかと思います。
しかし、たった一本の修復処置においても問題を解決しなければ、再び崩壊するリスクは残ってしまいます。
包括的歯科治療とは、患者様の骨格や年齢、咬合などから総合的な状態を見極め、必要な処置を総合的に捉えていくことと考えています。
包括的歯科治療では、症状が現れている部分だけを診るのではなく、
患者様の骨格から口腔内と全体をしっかりと診断する必要があります。
お口の中だけでなく骨格や顔立ちも確認し、
どのような理由によって現在のお口の状態があるのかをプロの目線で精査・判断いたします。
虫歯や歯周病などの歯科疾患の要因は
細菌感染や噛み合わせといった口腔内の直接的要因だけではなく、
年齢や性別、骨格はもちろん全身の状態や遺伝的要因による体質、生活習慣など
ご本人の免疫力や再生力も含んでさまざまな問題が関与している場合があります。
口腔内には親知らずを除いて、28本の歯が存在しています。
通常はそれぞれの歯に合った機能によって口腔内を維持していますが、
年月が経つほどに歯並びや咬合に消耗による問題が発生します。こういった劣化は顎関節にも影響を与えます。
しかしこれらが生体の免疫力や回復力を超えるものではない場合、
それは病気とは異なる「加齢による変化」であり「生理的咬合」と診断できます。
そういった場合は治療の対象にならない場合もある、という考え方です。
上顎前歯部のフレアリングと、下顎前歯部の挺出について、治療を開始。
術後はインプラントや歯科矯正などを経て、初診から3年8ヶ月後の様子です。